NPO法人 えんキャリア宮崎

家族みんなの“今”と“みらい”を支える児童クラブ

  • 成人女性

    私の周りは出産ラッシュで、保活の話題などがよく出てきます。同年代の働く女性や、働く意欲のある女性がとても多いので頑張ってください!

  • 私も子どもが小学校に入る時、仕事を辞めるかとても悩みました。育成クラブに預けても帰宅時間が早く、結局ひとりで留守番することになるからです。フルタイムで働く親に配慮した活動は素晴らしいと思います。子どもたちに色々な体験をさせていることも親にとってはうれしいかぎりです。どんどん広がるよう応援しています。

    中年女性
  • 中年男性

    共働きが増える中、子供だけでの留守番は心寂しいことだと思います。そういう中でのこの取組みは、目に見えないメンタル面でのサポートとしても有意義な活動と感じています。

  • 未来ある子どもたちのために、子どもを支え働くお父さん・お母さんのために、これからもずっとサポートし続けて下さい!

    成人女性
子育て支援
収入や就労状況に条件がない民間の児童クラブを始めたNPO法人えんキャリア宮崎。
代表の牧ミチルさんに、児童クラブを始めたきっかけやその背景にある想いについてお聞きしました。
「キッズクラブ」を立ち上げた背景を教えてください。

働く意欲がある人の支援活動の一環として開始

もともと人材派遣の企業が母体で、NPO法人えんキャリア宮崎を立ち上げました。セミナー事業や異業種交流などを含めた人材育成や支援をしたいことから始めたNPOでしたが、活動をする中で、会員さんから夏休みや冬休みなどに子どもを預けるところがない、という声があがっていました。私自身、子どもが小さい頃は宮崎市の児童クラブに預けていたのですが、市の施設の場合は収入や就労時間に条件があり、それに該当しない世帯は預けられないことも。そこで、ちょうど自社ビルに空き部屋があったので、ここを活用して児童クラブを運営したら良いのではと思い立ちました。
 
保護者が共働きの場合、放課後や長期休暇中の子どもさんが家で一人になるという不安を解消することで、働きたい人の支援ができるということで「キッズクラブ」をスタートさせたのが始まりです。

「キッズクラブ」の特徴を教えてください。

保護者の所得や就労の条件がなく、1日だけのスポット利用も可能

一番大きな特徴としては、やはり保護者の収入や就労状況に条件がないということです。利用料も平日のみだと月5,000円とし、なるべく料金を抑えるようにしています。他にも、学校行事の振替休日やどうしても預けたい時に、1日だけのスポット利用もできるようにしています。
 
運営は元小学校校長の奈良勇先生が教室長として常駐していただいているほか、様々なボランティアの方々にサポートしていただています。放課後、祖父母の家で宿題をしたり遊んだりするような、ほのぼのとした雰囲気で子どもたちに過ごしてほしいと思い、ゆったりとした運営をしています。
教室長の奈良先生は退職後、3年ほどのブランクがあったそうですが、子どもたちと過ごすうちにすっかり打ち解け、今では「子どもたちからパワーをもらっています」と、大変な仕事だと思いますが、イキイキと指導していただいています。

どのようなプログラムがありますか

勉強以外にも施設見学や習字、マジシャンが来てくれることも

夏休みなどの長期休暇中は朝から夕方まで預かりますので、宿題だけでは時間がもちません。近くの公園で遊んだり、徒歩圏にある裁判所や県庁の見学などにも行ったりしています。実際の裁判の傍聴では、普段は賑やかな子どもたちもさすがに真剣な様子だったようで、普段は体験できないことを通じて、何かを感じとってくれているようです。
 
また、マジシャンの方が子どもたちを楽しませに来てくれたり、地域の団体が白玉団子づくりや流しそうめんなどをやってくれたりと、サポートしてくださる方が多方面にいらっしゃるのが本当にありがたいですね。

なるべく保護者に費用面などで負担にならない範囲で、子どもたちに楽しんでもらえるようなプログラム作りを心がけています。「キッズクラブ」を利用する子どもたちは年齢の幅もありますから、メリハリをつけながら楽しく1日を過ごせる工夫が難しいところですね。

現在「キッズクラブ」を運営する中で困っていることなどはありますか?

利用者への告知と制限のバランスが難しい

立ち上げ当初は、まだ認知度が低かったこともあり、夏休みなのに10人ほどの利用に留まりました。その後、近隣の小学校に案内をして、翌年の春休みくらいから少しずつ利用者が増え、今では長期休暇だと30名ほどに利用していただいています。ただ、平日の利用がまだ人数が少ないので、もう少し受け入れを増やせるよう告知などを工夫しなければと考えていますが、大きく広告費をかけられないですし、こちら側のキャパシティにも限界があるので悩むところです。
 
また、教室に置いているおもちゃや絵本は、ほとんどが寄贈してもらったもの。どうしても子どもたちが使うと壊れたたり、飽きてしまったりするものなので、いろんな方に呼びかけて使わなくなったおもちゃなどを集められたらと思います。幸い、近くの公園には児童館が併設されてあり、利用手続きをしているため外遊び用の自転車などの遊具も借りられたり、イベントにも参加できたりするので、児童館も活用しながら運営していければと思います。

今後の活動目標や実現したいことを教えてください。

他団体とも連携しながら幅広い年齢の子どもたちをサポートしたい

多子世帯の場合、兄弟で下のお子さんがいらっしゃることもあります。ですので、近くに3歳くらいまでのお子さんや未就学児を預かる施設ができれば、互いに連携もでき、より働く人、働きたい人の支援になると考えています。特に3歳未満のお子さんは受け入れ施設が少ないのが現状で、せっかく仕事が決まっても子どもの預け先が決まらず、就業をお断りされるケースも耳にします。未就学児を預かるには保育士の確保などハードルも高いので、すぐに実現するのは難しいですが、私どもだけでなく、地域全体でこのような問題に取り組めるのが理想的ですね。
 
現在の「キッズクラブ」は、これまで大きなトラブルもなく運営できています。これからも保護者の方が利用しやすく、子どもたちが居心地よく過ごせる、そんな児童クラブを続けていきたいです。

 
 
 
 

家族みんなの“今”と“みらい”を支える児童クラブ

宮崎市の中心部にありながら、郊外の小学校からの利用者もいるキッズクラブ。学校も学年の枠も超えて、一緒に楽しくに過ごす子どもたちの様子は、サポートをする先生やボランティアスタッフに活力を与え、保護者には安心を与えている。
子育て中の女性の就労支援やリタイア世代の雇用といった課題に、児童クラブという方法でのアプローチは、今の社会にとって必要不可欠なもの。“いま”の課題に対処されるなかで、子どもたちはいろいろな経験をしながら“みらい”へと向かっている。
団体プロフィール

NPO法人 えんキャリア宮崎

働くうえで課題を抱えている人や自己成長を望む人などに対して、人材育成やキャリア形成に関するセミナー、就職支援事業などを行うことを主な目的として設立。新たな雇用創出や地域経済の活性化を図る異業種交流会も開催しているほか、子育て世帯の就労環境を守るために児童クラブ「キッズクラブ」も運営している。

活動報告一覧へ戻る