NPO法人poco a bocco

女性のみらいを照らす“陽だまり”のような場所

  • 成人女性

    女性はライフステージの変化に伴い、たくさんの不安を抱えるので、このような団体が身近にあれば、たいへん心強いです。応援しています!

  • 「ワンオペ育児」と言われるような環境で、母親が孤立していく過程で、いざ問題が生じると自己責任論で責め立てられる世の中。人と人とが、面倒だけどもつながり、誰かを心配し、誰かと一緒にいることは、自立した生き方には必要不可欠です。これからもつながりを創造されていく支援を頑張ってください。

    成人男性
  • 中年女性

    ずっと専業主婦でしたが、育児サークルを立ち上げ、PTA活動を楽しみ、文庫活動や地域活動をしていました。活動の場所は違っても、ママさんの頑張りを一緒に応援していきたいです!

  • 佐賀に来てから大変お世話になっています。知り合いもいなかった中、ポコアボッコのおかげでたくさんの友達もできました。これからも女性の“ゆらぎ”に寄り添って欲しいです!

    成人女性
子育て支援
結婚や妊娠、出産、パートナーの転勤など、生活環境が変化しやすい女性のライフステージに、そっと寄り添う活動をしているNPO法人「poco a bocco」さん。
当財団が助成している「『ママの明日』をデザインしよう!」のプログラムの一つである料理教室に伺い、理事長の寺野幸子さんにお話を伺った。
このような活動を始めたきっかけは?

育休中に始めた子育てサークルをきっかけに、一人ひとりと向き合うために

私には子どもが二人いるのですが、上の子の妊娠中から産休と育休で3年間のお休みをいただいた時に始めた子育てサークル的な活動がきっかけでした。もともと、市役所に勤めていた時に児童福祉の仕事をしていたのですが、そのときに経験した一人ひとりに向き合って仕事をすることが自分に合っている、と感じていました。

育休後は市役所での復職も考えましたが、市役所では2~3年サイクルで異動となり、寄り添った支援活動を継続させるのが困難です。私のように復職で悩む女性もいたりして、同じような悩みを抱えた女性に継続して寄り添っていきたいと考え、復職ではなくNPOとして起業することとしました。

行政や民間ではなく、NPOとして活動する理由は?

行政や民間ではできない、細やかな支援を届けるために

前職の市役所ではひとり親支援や児童虐待防止など児童福祉に携わっていました。行政が担う仕事は、すでに顕在化している社会的な課題を解決すること。もちろん大切な仕事なのですが、まだ顕在化していない社会的な課題も見えてきて、行政という立場では、そこまで手を差し伸ばせない限界を感じていました。特に育児を背景として悩んでいる女性に、自身の姿も重なって、支援が必要だと思いました。

例えば、育休後の職場復帰は「ブランクがあっても以前のように働けるだろうか」と憂鬱に考えがちですが、実際に大きな社会的問題が起こっているわけではないので、行政サービスとしての優先度は低くなってしまいます。かといって、利益を追求する民間企業では収益が見込みにくく、なかなか手を出さない分野です。こういった理由からNPOとしてpoco a boccoを立ち上げました。

「『ママの明日』をデザインしよう!」とはどんなプログラムですか?

様々な講座を開催することで子育て中のママのスキルアップと、ママ同士のコミュニティを

今日のような時短料理などの家事のスキルアップ講座や職場復帰を目前に控えたママのトレーニング講座、家庭内コミュニケーションに関する講座まで、頑張る女性を応援するプログラムです。

育児中のママは、子どもを預けてまで、こういった自分のスキルアップの時間を作るというのは敬遠しがち。なので、「『ママの明日』をデザインしよう!」では、お子さまと一緒に受講できるようにしています。今日も通常の料理教室では、託児つきのものも時々ありますが、こんな風に子どもの遊び場が近くにあって、目の届く範囲に子どもがいて、安心できる、賑やかな教室というのがうちの特徴です。

こういった講座の中で、受講者同士で悩みを相談しあったり、意気投合したりして、新しいコミュニティができ、ママの活動範囲が拡がっているのも感じますね。

今後、新たに取り組んでいきたい活動は?

世代を超えて女性のライフステージに寄り添う支援を

これまで、自らが経験してきたライフステージでの課題に対して、妊娠から出産までの女性を支援するマタニティマガジン「Happy Baby Life」を発行して情報提供をしたり、産後の仕事復帰を準備しているママを対象に今回のような講座を通じて支援したりしてきました。

私自身、今後のライフステージを考えると、子どもの教育から親の介護、自身の老後等、それぞれの場面で女性に対する支援が必要だと感じています。例えば、塾へのお弁当の宅配やアレルギー対応のお菓子の販売、医療用ウィッグなどのような支援です。将来的にではありますが、このような女性の老後までのライフステージを、さまざまな形で支援していきたいと思います。

そういった目標に対して課題と感じていることはありますか?

NPOとして基盤を強化し、“職場”へと発展させたい

NPO法人というのは、収入源が乏しく、収支がプラスマイナスゼロになりがちです。当法人では月間にだいたい50回くらいの講座や交流会を開催していますが、常に大盛況というわけでもなく、参加費も出来る限り低く抑えています。そのため、告知用のフライヤーを印刷して、講師への謝金や会場費をお支払いしたら、ほとんど手元に残らないということもあります。ですので、活動基盤として、資金や活動拠点を確保することが喫緊の課題ですね。ゆくゆくは実家をリフォームしたりして活動拠点にできればいいのですが。

そんな中、県のNPO法人窓口から「佐賀県ふるさと納税」の対象に認定していただきました。これによって、ふるさと納税を通じて「poco a bocco」に寄付していただけるようになり、基盤の強化に繋がってくれればと思っています。
基盤を強化することで、自身の収入確保も含め、スタッフをきちんと雇用できる団体になりたいと考えています。現在はイベント毎にスタッフへ謝礼をお支払いしている程度。正規のスタッフとして雇用することで、ママたちの職場として成り立つNPO法人へと成長したいですね。

 
 
 
 

女性のみらいを照らす“陽だまり”のような場所

スペイン語の「poco a poco(少しずつ、一歩ずつ、ゆっくりゆっくりという意味)」という言葉と、「ひなたぼっこ」をミックスさせて生まれた「poco a bocco」。一人ひとりが自分のペースで”こう在りたい”と思い描く未来へ進んでいけるように、という思いが込められている。
陽だまりの中で心地よい風に吹かれている時のように、“こころ”も“からだ”もポカポカになりますようにという想いのもと、行政だけでは解決できなかった課題を、行政に携わっていたからこその視点で課題に立ち向かう寺野さん。その奮闘されている姿に、佐賀でイキイキと暮らす、女性たちの明るいみらいが重なった。
団体プロフィール

NPO法人 poco a bocco

育休中の子育てサークル的な子育て支援ネットワーク「育楽プロジェクト」として、様々な講座を開催していたことをきっかけに、2014年9月に設立の後、翌年6月にNPO法人化。
女性を対象としたプログラム(講座・フィットネス・交流会)の開催は月に50回にのぼることも。結婚や妊娠、出産といった、女性のライフステージに寄り添いながら、幅広い支援活動を行っている。

活動報告一覧へ戻る