ひまわりのびっこクラブ

「魔法」と「ゆめ」から広がるみらいへの可能性

  • 中年男性

    物事に対して、少しでも興味や関心を持ち、体験することが子供たちにとって必要であると思います。「子供の失敗は学びの経験」という言葉に共感を覚えます。

  • 小さな夢の積み重ねは、子どもの成長にはとても大事なことだと思います。

    中年女性
  • 成人女性

    子どもの夢を無限大に広げるきっかけになる活動だと思います。大人の手を借りずに自分で考えて行動する力を養う素敵な場所です。

  • 「ゆめ」は小さいことの積み重ね。同感です。「最近の子供は夢がない」という大人がいますが、夢を考えさせる機会を十分に与えていない大人の責任ですね。明るい未来を描ける子供をたくさん育ててください。

    中年男性
さまざまな体験を通じた次世代育成
子どもたちが職業体験などを通して楽しみながら学べるイベント「魔法使いのマルシェ」が、福岡市の「ベイサイドプレイス博多」で開催され、多くの親子連れで賑わっていた。このイベントを主催した「ひまわりのびっこクラブ」代表の荒木久美子さんに、活動に込めた思いなどについてお話を伺った。
ひまわりのびっこクラブはどのような活動をしていますか?

体験活動を通して、「ゆめ」と「生きる力」を育む

「ひまわりのびっこクラブ」の代表を務める荒木久美子さん

「ひまわりのびっこクラブ」の代表を務める荒木久美子さん

私たちは、子どもたちの「ゆめ」と「生きる力」を育むことを目的に、職業体験などの体験活動をしています。主な活動は「魔法使いの学校」です。1年間かけて、子どもたちが思い描く「ゆめのお店」を形にし、毎年2月に集大成として「魔法使いのマルシェ」を開催。マルシェでは一般のお客さんを招いて、お店づくりの発表会をします。
「魔法」や「ゆめ」などの言葉を使っているので、風変わりな印象を受けるかもしれませんが、非現実的な空間で子どもたちが自由にのびのびと物事を考え、可能性を広げられる環境を作りたいという思いを込めています。
今年度は2クラスに分かれて店づくりを行い、各クラスには、幼稚園児から小学6年生までの10名ずつが参加。マルシェでは、子どもたちが、お菓子屋さん3店舗、カメラ屋さん1店舗、どうぶつくじ屋さん1店舗をオープンしました。

活動を始めたきっかけを教えてください。

子どもたちが自分らしく生きるために、私たちができること

私は保育士として8年間勤めたあと退職し、心理学やコーチングを学びました。すると、自分自身を大切にし、好きになることが人生にとって重要だということに気づいたんです。だから、子どもたちにも自分を大事にし、大好きになれる機会を作ってあげたいと思いました。
また、もともと私は人と話すのが苦手でした。そのせいで、うまくいかないこともたくさんありましたが、そんなときでも学校を休まなかったのは、小さい頃からの「保育士になりたい」という「ゆめ」があったからです。「ゆめ」を持っている子どもは強くなれる。だから子どもには「ゆめ」を持つ大切さに気づいてほしいと思いました。
この2つの思いをきっかけに、子どもたちが自分らしく生きるために私たちができることとして、活動を始めました。

荒木さんの考える「ゆめ」とは?

「ゆめ」は大きなものではなく、小さな積み重ねで叶うもの

「夢」をひらがなで「ゆめ」と書くのはなぜか、と聞かれることがあります。私の印象ですが、漢字で「夢」と書くと少しきつい印象に感じるんです。ひらがなだと「ゆ」と「め」がなんだか丸っこくて、小さな泡のよう。その泡と泡がくっついて大きなものになっていく、というイメージがあります。
「ゆめ」と言うと大きなものをイメージする人が多いですが、「ゆめ」は小さいことの積み重ねだと私は考えています。極端に言えば、朝起きて家族に「おはよう」と言うだけでも幸せを感じるくらい、「ゆめ」を小さくしていけば、誰もがすぐに幸せになれるのではないでしょうか。子どもたちには、小さなことの積み重ねで「ゆめ」が叶うことを知ってほしいのです。

子どもたちの「生きる力」や「ゆめ」に必要なことは何ですか?

子どもには体験が必要。失敗も学びの経験に。

子どもには体験が必要です。もちろん知識も大事ですが、知識は体験を伴ってこそ、本当の知恵や生きる力になります。「魔法使いの学校」では「ゆめ」を叶えた大人から、子どもたちへ向けて思いを話してもらうことがありますが、「ゆめ」を叶えた大人の言葉には力があります。それは、いろんな人との関わりを積み重ね、知識と体験がつながっているからです。
また、私たちの活動に参加した子どもたちが、少しずつ自己主張ができるようになったり、自分の「ゆめ」を語るようになったりする姿をみてきて、子どもの「生きる力」や「ゆめ」には体験がとても大切なのだと実感しています。
子どもが困っているときや失敗しそうなとき、大人はつい口を出したり手を出したりしたくなるものですよね。でも、子どもの失敗は学びの経験であり、子どもは自分で考えることで解決する力を身につけます。だから、大人はまず見守って、子どもが助けてほしいなどの意思表示をしたら、助けたり声をかけたりしてほしいですね。

今後の展望や目標を教えてください

他の地域への広がりと子どもの居場所になる活動拠点づくり

福岡市以外のいろんな地域で「魔法使いの学校」を開催して、そこで作ったお店を一堂に会した「魔法使いのマルシェ」を開催したいです。「魔法使いの学校」は今年度で4期目となり、ノウハウもたまってきました。それを活かして、いろんな地域で「魔法使いの学校」を開催すれば、「ゆめ」を持ったり、やりたいことを表現できる子どもがもっと増えていくと思います。
それから、子どもたちの居場所となるような活動拠点を持ちたいです。放課後に子どもが「ここに来たら自分のやりたいことができる」「自由に考えて物を作れる」という場所があるといいですね。もし商店街を拠点にできれば、居場所になるだけでなく地域での多世代交流にもつながり、よりよい活動になると考えています。



 

「魔法」と「ゆめ」から広がるみらいへの可能性

「子どもたちの“生きる力”と“ゆめ”を育みたい」と語る荒木さん。「ひまわりのびっこクラブ」で行う全ての活動の根底には、この思いが込められている。「魔法使いの学校」で「ゆめ」を見つけたたくさんの子どもたちは、「生きる力」を蓄えながら、自分自身を愛し、他人にも優しくできるような大人に育っていくだろう。
団体プロフィール

ひまわりのびっこクラブ

代表の荒木久美子氏が2005年4月に設立。福岡市中央区の「ふくふくプラザ」や「あすみん」などを拠点に、職業体験などの活動を行っている。「魔法使い」や「ゆめ」という、キャッチフレーズを使いながら、子どもたちが自由にのびのびと物事を考え、実行する力を身につけることを目指す。コーチングや心理学を用いて「ゆめ」と「生きる力」を育むとともに、異年齢の子ども同士の交流によってコミュニケーション能力や思いやりの心も育んでいる。

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