NPO法人 子育てふれあいグループ自然花

里山のくらしと遊びの体験活動

  • 成人男性

    「親子の時間」という当たり前のようでとても大切な時間の支援を今後もぜひ続けてください。

  • 大人と子どもが一緒に体験できること、特に自然にふれることは素晴らしいと思います。

    成人女性
  • 中年男性

    自然とふれあい、地域活性化に繋げ、過疎高齢化にこどもたちの明るい声で地域が元気になる素晴らしい活動だと思いました。

さまざまな体験を通じた次世代育成
団体プロフィール

NPO法人 子育てふれあいグループ自然花

当法人は、2009年7月より、活動を始め、今年で10年目になります。鹿児島県の枕崎市美山町(木口屋集落)を活動拠点にしています。活動立ち上げ時のスタッフは、以前は児童養護施設に勤務していました。様々ケースで入所してくる子どもたちと過ごす中、入所に至る前に手助け出来ることがあったのではないかという思い、子どもだけでなく、親子でケアする必要性を強く感じました。親子で「一緒の時間を過ごす」「同じことに共感する」ことでお互いの新たな気付きや成長し合える環境作りにつながります。私たちは、親子体験活動(農業・自然・制作・食育等)を主に一時預かり・放課後児童クラブ事業、相談(子育て・不登校等)事業、子育てサロン等、親子に関わる子育て支援に取り組んでいます。



 

活動内容について教えてください。

今回、助成を受け「里山のくらしと遊びの体験活動」と題し、「里山のくらしの体験集落めぐり」と「里山の自然の遊び体験活動」を2つのイベントを行いました。
里山での暮らしや遊びを体験し、昔からの生活の知恵や遊びを子どもたちへ受け継ぐことを目的としています。
「里山のくらしの体験集落めぐり」では、集落内に点在する体験場所を親子で周り、味噌作りや陶芸、ピザ作りやさつまいも収穫等の体験をしたり、集落を巡って秋の景色を感じたり、体験講師の集落住民とのふれあう機会となりました。また、「里山の自然の遊び体験活動」では、体験場所のツリーハウス広場や集落内の山において、ネイチャーゲームや自然物を素材とした工作体験をしました。自然を身近に感じ、冬の里山で楽しめる遊びを親子で体験しました。



 

どのような思いで活動していますか。

幼い頃に体験したことは、経験として記憶に残ります。子どもたちが、体験を通じて感じたこと、学んだことを次の世代へとつなげていく、人と関わり、社会性や人に優しくしたり、人を思いやったりする心を育てていきたいと考えます。親子の関わり・親子の時間が大事なように、人と人のつながりも大事です。現代、地方における過疎化・少子高齢化が進み、核家族化による家族形態の変化により、地域の人のつながりが希薄になっています。世代間交流も少なく、昔ながらの「地域で子どもを育てる」という子育ては難しく、昔からの生活の知恵や遊びを伝える機会がないと感じている高齢者の声を聞きます。親から子へ、その子からそのまた子へ、と受け継いでいく、伝えていく大事なことは、人と人のつながりの中で生じるものです。体験活動を通じて、「おばあちゃん先生と子どもたちに呼ばれて嬉しかった」「後日、学校行事で顔を合わせた際、抱き着いて来てくれた」等、集落住民の方は、子どもたちとの関りに喜び、生きがいを感じ、日頃の生活にも張り合いが出てきたとの話もいただきました。このような地域で見守る温かい子育て支援を継続していくことで日々の生活が一番大事だと考えられる子育てを今の若い親の世代に伝えていければと思います。



 

今後の展望や目標を教えてください。

一過性のイベントとしての体験活動ではなく、定期的に集落を舞台にした体験活動を行っていきたいと考えています。地域の自然を活かし、季節を身近に感じる、地域の人と人のつながりを感じる体験内容を展開していきます。同じように過疎化・少子高齢化が問題になっている他地域のモデルとなり、地域に活気を生む手法の一つとしての体験活動の取組が他地域へも広がることを期待します。また、体験活動には、集落住民だけでなく、大学生や小学生の時に当法人の体験活動に参加していた高校生などの若い世代のボランティアも参加しています。体験に参加する側から提供する側になり、自分たちの地域の良さを見直す機会になると思います。そのことが、今後、より地域に根付いた人と人との関りを築いていくことになります。
現代、共働き世帯は当たり前であり、子どもたちも幼少期より習い事や少年団等、忙しい毎日です。普段の生活の中、親子で一緒に何かをする時間は、昔よりも少なくなったように感じますが、だからこそ体験活動を通じて親子で一緒の時間を共有し、物事に共感することが大事であり、より多くの親子が参加出来る機会を今後も増やしていきたいです。




 

本記事をご覧いただいている方々へのメッセージを自由にどうぞ。

記事を見て頂いて「一度訪ねてみたい」と思ってもらえたら嬉しいです。私たちが活動拠点としている建物や畑、広場は、以前は空き家や耕作放棄地でした。私たちの活動を理解・共感してくださった集落住民の方たちに提供して頂き、空き家だった建物は事務所や食育体験、交流体験の場として、耕作放棄地だった場所は野菜や果樹の畑、親子が過ごす広場として活用しています。広場には、シンボルとなるエノキの木にツリーハウスを手作りしています。活動を始めてから10年。子どものいなかった過疎高齢化の進んだ集落が、親子が集い、子どもたちの元気な声が響くことで元気になりました。集落住民や周りの方たちとのつながりを大事にこれからも子育て支援に取り組んでいきたいと思います。

【回答者】事務局長 宮園 香織

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